
近年、HIIT(高強度インターバルトレーニング)が脳機能に及ぼす効果に注目が集まっています。
この記事では HIITが認知機能、記憶力、メンタルヘルスに与える影響を解説し、脳を活性化させるHIITトレーニングを紹介します。

こんにちは。HIIT Plus のタケシです。
今回もHIITの効果を、解説していきますね。
HIITが脳に与える、驚くべき効果
HIITをすることで、脳に対して どのような効果があるのでしょうか?

気持ち いいわ~
乳酸は疲労物質ではなく脳のエネルギー源
激しい運動をすると筋肉に乳酸がたまり、それが筋肉痛や疲れの原因だと考えられていましたが、現在では古いものとされています。
最新の研究では、乳酸は脳にとって非常に効率の良い「ガソリン」のようなものだと分かってきました。
特にHIITのようなハードな運動をすると、体はエネルギーとして糖(グルコース)だけでなく、乳酸も作り出します。
この乳酸は血流に乗って脳に運ばれ、脳細胞が活発に働くためのエネルギーとして使われます。
さらに、乳酸には脳をより賢く、しなやかにする効果(脳の可塑性)も期待されているのです。
これは、脳が新しいことを学んだり、記憶を定着させたりする能力を高める働きです。
つまり乳酸は、「疲れの素」ではなく、脳を働かせ、成長させるための「スーパー燃料」として、その重要性が見直されています。
HIITで脳の血流を促進
HIITは短時間で心拍数を上げ、全身の血流を促進します。
HIITを行うと心臓が力強く拍動し、たくさんの血液が全身を巡ります。
脳は体の中で最も多くの酸素と栄養を必要とする「大食いの臓器」なので、この血流増加は脳にとって大きなメリットがあるのです。
新鮮な酸素や栄養が詰まった血液が脳にたくさん送り込まれることで、脳細胞が活発に働き始めます。
そして、ぜんとうぜん【前頭前野】は脳の「司令塔」のような部分です。
物事を計画したり、判断したり、集中したりといった、人間らしい高度な働きを担っています。
HIITによってこの「司令塔」への血流が増えることで、頭の回転が速くなったり、仕事や勉強の効率が上がったりする効果が期待できます。

HIITで記憶力アップ!そのメカニズムとは?
えっ! そうなの

海馬の活性化
海馬は記憶をつかさどる脳の領域です。
運動によって分泌される BDNF(脳由来神経栄養因子) が海馬を刺激し、記憶力や学習能力を高めると考えられています。
HIITのような強度の高い運動は、この働きをサポートして 新しい情報を覚えたり空間認識力を高めるのに役立つ可能性があるんです。
シナプスの強化&強化
脳の神経細胞は「シナプス」という部分でつながり、情報をやり取りしてくれるんです。
そこで繰り返し練習や強い刺激を受けると、このシナプスのつながりが強化されて、脳からの信号が伝わりやすくなります。
HIITのような強度の高い運動は脳に刺激を与え、シナプスの結びつきを強めるきっかけになるのです。
これを「長期増強(LTP)」と呼び、神経回路の効率化につながります。
その結果、記憶の呼び出しや情報処理がスムーズになり、行動の正確さやスピードも高まると考えられています。
ワーキングメモリの向上も
「ワーキングメモリ」は一時的に情報を保持して処理する能力で、仕事や学習に欠かせないスキルです。
「あれとこれをやって、次にあれやってこれやる」を頭の中で記憶する能力です。
HIITを実行することで前頭前野の働きを高め、ワーキングメモリを強化すると報告されています。
集中力や問題解決能力の向上にもつながっていきます。
メンタルヘルス改善にも効果的

楽しい気持ちになってきた~
抑うつ症状をやわらげる
HIITをすると、脳の「幸せホルモン」と呼ばれる セロトニン や「やる気ホルモン」の ドーパミン が働きやすくなります。
これによって気分が明るくなり、前向きな気持ちを持ちやすくなると言われています。
さらに、ストレスホルモンの コルチゾール が過剰に出るのを抑える効果も期待され、気分の落ち込みを軽くしてメンタルを整えるのに役立ちます。
ストレスに強くなる
HIITを続けることで、体は「ストレスがかかったときにどう対応するか」をうまくコントロールできるようになります。
ストレスで乱れがちな 自律神経のバランス も整いやすくなり、心身が安定しやすくなるのです。
その結果、「イライラしにくい」「気持ちを切り替えやすい」といった効果が期待できます。
またHIITは楽な運動方法ではないので、「もうちょっと頑張る!」という気持ちも生まれます。
睡眠の質がアップ
HIITを日中に行うと、夜の眠りが深くなり、ぐっすり眠れるようになることが研究で示されているんです。
良い睡眠は脳の疲れをとり、記憶力や集中力を高めるためにも欠かせません。
ただし、寝る直前の激しい運動はかえって眠りを妨げることがあるので、午前や午後の時間帯に行うのがおすすめです。

まとめ:HIITで脳を活性化し、より豊かな人生を
HIITは、短時間で体だけでなく脳も鍛えられるトレーニングです。
記憶力や集中力を高めたり、気分を前向きにしたりする効果が期待できるため、忙しい人にもぴったり。
研究では、これまで「疲労物質」と思われていた乳酸が脳のエネルギー源になることや、HIITが脳の血流を良くして「BDNF」という脳を育てる物質を増やすことが分かっています。
その結果、記憶力アップやストレスの軽減など、脳にうれしい効果がたくさんあると考えられています。
特別な器具は不要で自宅でできる簡単なHIITメニューもありますので、1日10分から始められますので、運動が苦手な方にもおすすめですね。
ぜひ、HIITを生活に取り入れて、体だけでなく脳も活性化し、健康で豊かな毎日を目指してみてください。
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「一人では続かないんだよね~」という方に、おすすめです。

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根拠となる文献・資料
乳酸はエネルギー源で、適応を起こすシグナルである
八田 秀雄 博士
東京大学大学院 総合文化研究科 身体運動科学研究室
時間効率に優れた高強度間欠的トレーニングが記憶力を高める
征⽮ 英昭 教授
ヒューマン・ハイ・パフォーマンス先端研究センター(ARIHHP)
Saunders DH, et al. High-intensity interval training and mental health: systematic review and meta-analysis. J Affect Disord. 2020
※本記事は研究知見をもとに執筆していますが、医療的な助言ではありません。 体調や持病のある方は必ず医師にご相談ください。
他にもHIITのトレーニングに関するページがあります。